もっと「水」のことを知りたい!vol.3

~水を摂るタイミングを知って、健康アップ!~

先生が話している

アクアソムリエ 山中亜希さん

第3回目は、人間の健康維持に欠かせない「飲み水」についてお話しします。年齢を重ねるごとに徐々に失われていく身体の水分量。のどが渇いたときに「お茶やコーヒーなどを飲んでいるから水分補給は大丈夫!」というのは正解なのでしょうか? 


水に関する専門家、アクアソムリエの山中亜希さんから、水と健康の関係や、1日の正しい水の摂り方を教えていた だきましょう。

  • 水を正しく摂ることで健康に

    年齢を重ねると身体に入るものに気を遣うようになり、自宅に浄水器を設置したり、ボトルウォーターを用意したりして飲み水にこだわるなど、健康志向も高くなってきます。しかし、水そのものだけでなく、飲む量や飲み方を意識している方はどれだけいるのでしょうか?

    適切なタイミングで正しく水を飲むことは、身体の健康づくりに欠かせない要素になります。

  • 「水」と水分は別物

    「隠れ脱水」という言葉があります。これは、自分の身体に「水」が足りていないことに気がついていない状態のことを指します。脱水状態はさまざまな症状を引き起こす原因。

    なんだかおなかの調子がずっと悪い、すぐに風邪をひいてしまう、頭痛になりやすい……そんな症状が現れている方は、もしかしたら「水」が足りていないのかもしれません。


    お茶には利尿作用がある

    紅茶・緑茶には利尿作用がある

    「コーヒーやお茶を1日に何度も飲んでいる、毎晩ビールやワインを飲んでいるから大丈夫!」という方にお伝えしたいのは、「水」とそのほかの飲料(水分)は別物だと考えていただきたい、ということです。


    というのも、コーヒーや紅茶、ビールなどのアルコール飲料には利尿作用があって、体の中の水分を外に排出しようとする働きがあるのです。そのため飲めばのどが渇く、また飲んでさらに……ということになります。お酒をたくさん飲んだ翌朝、なんとなく肌がぱさついていることってありませんか? それは、脱水が起こっている証拠なのです。    

  • のどが渇く前に水分補給を

    「のどが渇いた」と感じたときには、すでに体内から1~2%の水分が失われています。こまめに水を飲んで、身体の水不足を解消しましょう。目安としてはコップ1杯(200ml程度)の水を1日に7~10回、トータルで1.5~2リットルの水を飲むことを意識してください。

    身体の水分量は年齢を重ねるごとに減少し、新生児では70~80%だったものが60代以上になると、なんと50%程度まで減少してしまいます。それだけに脱水しやすく、さらに腎臓の機能が衰え、たまった老廃物を流すためにはやはり多めの水が必要となります。適切なタイミングで水を飲んで、水分をきちんと補いましょう。

  • 朝の水は奇跡の水

    朝一番に飲む水は「奇跡の水」と呼ばれています。それくらい、体にとって素晴らしい効果があるということです。なぜ朝の水が体によいのか? それは睡眠中に大きく水分が失われることにも関係しています。


    朝一番は「コップ1杯の水」を

    朝一番は「コップ1杯の水」を

    夜寝ている間に大量の汗をかくというのは、皆さんも実際に体験されていることと思います。季節にもよりますが、暑い時期であれば1リットル以上も汗をかいてしまうことも。起きてすぐの身体は特に水分が不足している状態なので、目覚めたらすぐに補うことが大切なのです。


    血液の水分量が足りなくなると、血の流れが悪くなりドロドロの状態に。そのため、血液の詰まりなどで重大な病気を引き起こす要因にもなります。 例えば、起床してから数時間後、午前中に起こりやすい病気として心筋梗塞や脳梗塞の発作があります[*1]。これらは就寝中に失った水分不足が原因のひとつといわれているのです。朝起きたら軽く口をゆすいで、まず水をコップ1杯飲む。これを習慣づけてください。


    また朝の水分補給はそういった生活習慣病予防のほかに、内臓、特に胃腸に適度な刺激を与えて動かす合図となります。頑固な便秘で悩んでいる方は、整腸作用のある硬水を選ぶとさらに効果があります[*2]。 飲み水は水道水でも安全面に問題がないといわれていますが、やはり気になるのは、水中に含まれる塩素や、それによって生じるカルキ臭などの味わいです。おいしい水の条件は、残留塩素が無く、ほどよくミネラルが残っている水だということが分かっています。手軽においしい飲み水をつくりたいのであれば、塩素を除去してミネラルを残せる浄水器を使用してもよいでしょう。

  • 水を効果的に飲むタイミング

    朝一番の水の大切さは前述させていただきましたが、そのほかの水を効果的に飲むタイミングについても簡単にまとめておきます。

    ・食事どき
    「つい食べ過ぎてしまう」という方は、水をコップ1杯飲んでから食事をおこなうと食べ過ぎ防止になります[*3]。食欲がないときは炭酸水を飲むと、適度な刺激で胃腸が活発になるので、おすすめです。
    ・食後
    食後はコーヒー、という方が多いと思いますが、特に胃が重いなと感じるようでしたら水を飲んでみましょう。年齢を重ねるうちに消化機能が低下します。消化を助けてくれる水を毎食意識して飲んでいきたいところです。
    ・外出時
    水が入ったボトルを持ち歩いて、こまめに飲む習慣をつけましょう。コーヒーや紅茶、ジュースなどでは水の代用はできません。それらを飲むときには、必ず水も一緒に飲むようにしましょう。 ボトルに直接口をつけて飲むと、そこから菌がボトル内に入ります。なるべくコップに移して飲むようにしてください。特に夏場の気温の高いときは注意が必要です。
    ・お風呂の前に
    入浴前にコップ1杯ほどの水を体に補給しておきます。ついつい長湯をしてしまう、という方は脱水症状に気をつけてください。湯船に長く浸かると500cc以上もの汗をかいてしまうこともあります。もちろんお風呂上りにも水分補給をして、失われた水分を取り戻しましょう。
    ・お酒を飲む方は
    毎日寝る前に晩酌を楽しんでいる方は水も意識的に摂取しましょう。アルコールには利尿作用があって飲めば飲むほどのどが渇きます。必ずお水を一緒に摂るようにしてください。お酒の味が損なわれる、と思われがちですが、そんなことはありません。お水と一緒に飲む方が悪酔いをしませんし、二日酔いも防げます。
    ・就寝前
    睡眠中に失われる水分を想定して、コップ1杯ほどの水を飲みましょう。夜間のトイレが気になる場合は、寝床に入る1時間前くらいまでに飲んでおくと良いでしょう。

    毎日1.5~2リットルの水分を摂るというのは「少し大変だな」と思われるかもしれませんが、このようにタイミングごとに水を飲むようにすれば習慣化され、自然と無理なく水分補給ができるようになります。

  • いつまでも健康でいるために

    「水を飲む」という行為を習慣に

    「水を飲む」という行為を習慣に

    食物に含まれる水分を満足に摂取できなかったり、「トイレに行く回数を減らしたい」という理由で水分補給を避けていたりすると、体内の水分量が減り、さまざまな病気や生活習慣病を引き起こしやすい状態になります。いつまでも健やかな身体でいるためには、適切なタイミングで水を飲むことが非常に重要なのです。浄水器を取り付けたり、ボトルウォーターを常備したりするなどして、いつでも安心しておいしい水を飲める環境づくりをしていきましょう。

今回の特集では3回に分けて、より良いウォーターライフを過ごせるヒントやコツをご紹介しました。最近は栄養学においても、栄養素の基本は水であるという認識が広まってきており、水の使い方に関してますます注目度が高まっています。料理が美味しくなって家族に笑顔が生まれたり、身体の調子が良くなったり……普段何気なく使っている水を少し意識して、私たちのライフスタイルをもっとステキに、豊かにしていきましょう。

監  修: 山中 亜希さん
参考文献:
  • *1 水のみ健康ダイエット お肌潤う♪ 痩せ体質になる! 林基弘 著 (impress QuickBooks)

  • *2 図解入門 よくわかる便秘と腸の基本としくみ 坂井 正宙 著(秀和システム)

  • *3 時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則 古谷彰子、柴田重信 著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)